介護職員の戦闘力が上がるブログ

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【介護施設】身体拘束0で転倒0は可能なのか

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こんばんは。介護福祉士のハレくん(@harekunoku)です。

 

不可能です。

 

音速の回答。厳密に言うと、身体拘束0で転倒0は、今の介護業界の体制では不可能です。

 

どういう事かと言いますと、利用者さん1人に対して介護士が1人付ければ可能なんですが、現状そうではなく、夜勤なんかに関しては利用者さん60人に対して介護士2人とかの体制がザラなので、これで転倒を未来永劫0に防ぐのは無理です。ダルビッシュでも無理です。という話です。

 

転倒を0にするために身体を拘束するって考え方も当然ダメですよね。縛り付けられた状態で生きていても仕方ないですから。拘束されるのは誰だって嫌だと思いますし、拘束するのも嫌です。介護士は、利用者さんに少しでも楽しく過ごしてほしいと思っています。

 

基本的に、介護施設には足腰の弱った人ばかりが入所されている訳なんですが、そんな状況で、身体拘束0で転倒を0にするのが不可能であるという事はウシガエルでも理解できると思います。

 

厚労省は身体拘束0を推進している

厚労省は身体拘束0を推進しているんですが、これは、リスクをゼロにする事よりも、人間らしく生きていく事の方が大事だと読み解く事ができますよね。

 

凄く正しい活動だと思います。外に出ると危険がいっぱいだからといって、ずっと鍵をかけて部屋に閉じこもっていようなんて人生嫌ですよね。

 

ただ、身体拘束0を推進していくのは良いんですが、いくつか問題があります。

 

身体拘束0推進における二つの問題

①人員配置基準を緩和しようとしている

身体拘束を0にして、介護施設でも利用者さんに楽しく過ごしてもらおうという取り組みのはずなのに、介護士の人員配置基準を緩和しようとしているのはちょっと矛盾してますよね。

 

②利用者さんが転倒して訴えられると負ける

利用者さんが介護施設内で転倒して怪我をしてしまうと、ご家族に訴えられて、裁判官に賠償の支払いを命じられる場合があります。

 

夜勤中の人員配置なんて手薄の極みなのに、ここから更に人員配置基準緩和の方向性で、利用者さんが転倒して怪我をすると訴えられて、高額なお金を支払う必要性が出てくると。

 

この状況、一文字でいうと、です。

 

介護士は業を背負っているんでしょうか。前世で悪い事をした報いでも受けているのかと思わされます。地獄少女の閻魔あいでも引くレベルの業です。

 

①『身体拘束はゼロにして下さい』②『利用者さんと1対1で対応できる報酬は出せません。むしろ緩和します』③『利用者さんを転倒させたら責任は介護士側(施設側)にあります』

 

この3連コンボはストリートファイターで言うところの、アッパー・アッパー・昇竜拳に匹敵するほどのダメージを介護業界側に与えます。介護施設内で起こる事故について色々ハッキリさせておかないと、人材不足によって介護業界が滅びてしまう気がします。

 

まぁ誰が聞いてもオカシナ現状という事は分かってもらえると思うので、早くこの問題が解決されて欲しいなと思います。

 

制度を作るしかない

結論、制度をしっかり作ってもらうしかありません。利用者やご家族に、転倒リスクについての理解を得るだけでは甘いです。国が制度をちゃんと作る以外に、上記3連コンボを回避する策は無いと思われます。

 

今でもスピーチロック以外の拘束は殆どの施設がしていないと思うんですが、「ちょっと待ってて下さい」みたいな感じの言葉は使わざるを得ない状況ですよね。そのような言葉一つで利用者さんの怪我を防げるんですから。

 

身体拘束0を目標にするのであれば、それを可能にするための土台をしっかりさせておかないと、介護施設や、施設で働く介護士が大変ですよねって話でした。

 

おやすみなさい。レッツ制度。おやすみカプコン。

 

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