介護職員の戦闘力が上がるブログ

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【コール50回】介護福祉士の悲劇【夜勤】

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こんばんは。介護福祉士のハレくん(@harekunoku)です。 

 

忘れもしない、昔勤めていた介護施設での話です。

 

ある日の夜勤入りの事、僕はシンプルに体調不良でした。

 

頭痛ぇ〜肩こりやべぇ〜腹の調子悪ぃ〜みたいな感じで、とにかくダルさ満載で夜勤業務に就きました。

 

お願いだから平和な夜勤であってくれ。今日はしんどいんだ。数時間横にならせてくれ。神様仏様。よろしくお願い致します。

 

そう強く願いました。

 

察しの良い介護士さんは既に気づいたと思うんですが、そう願ってしまった時点で平和な夜勤になどなるはずがありません

 

平和であってくれ。

 

夜勤中は絶対にそんな事を願ってはいけないんです。そう願うほど、施設は平和から遠い場所へ誘(いざな)われてしまうんです。

 

甲子園には魔物が住んでるなんて言いますけど、介護施設にはアナザーゴッドポセイドンが住んでいます。

 

 

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それはもう壮絶な夜勤となりました。

 

冗談抜きに、その日は夜中の2時半くらいまでにコールが50回以上鳴りました。ほぼ全て同じ利用者さんからのコールです。

 

その利用者さんは、僕の事が大のお気に入りで、僕が出勤してホールに来ると、「やったー!兄ちゃん来たー!」と、いつも拍手で迎えて下さるお方でした。

 

そのお方、その日、日中数時間寝ていた&少し不穏だったようで、夜の8時くらいから何度も何度もコールで僕を居室に呼ぶんです。特に用事もないのにです。

 

訪室しても、

 

「兄ちゃんが帰ったかと思った」

 

「退屈」

 

「なにしてるの?」

 

「寝れない」

 

みたいな感じの訴えなので、少しお話して退室する事を繰り返してました。

 

僕の体調はどんどん悪化していました。

 

20回くらいコールが鳴った所で、「僕も仕事があるんで、何も無い時はコールは鳴らさないで下さい。何かある時は呼んで下さい。」

 

と声かけをしました。すると、しばらく鳴らなくなるんですが、結局また同じようにコールが鳴り始めます。

 

40回くらいなった所で、『ツーーッ』っと、鼻の下に何かが流れるような感触がありました。

 

鼻血です。

 

体調が悪い時に、コールが一生鳴り続けるというストレスフルな状況に、僕の鼻の中の血管が耐えきれず破裂し、鼻血という症状を引き起こしたんです。

 

僕は鼻血を出しながらも訪室し、「〇〇さん、寝れないのは分かるんですけど、他の人にも迷惑かかるので、用事がない時はコールを押さないで下さい。僕鼻血出てきました」と声かけをし、退室しました。

 

すると5分後、またコールが鳴ります。

 

ため息をつきながら訪室。「〇〇さん…」と声をかけると…

 

「鼻血出たんやろ?ティッシュ持っていきな」

 

そう言われた瞬間、僕の脳裏によぎった言葉は

 

「愛など要らぬ!!」

 

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その利用者さんが僕の事を本当に良く思ってくれているのは分かる。信頼してくれているのも分かる。

 

しかしもうそんな事はどうでも良い。利用者の事など俺はもう知らん。本当に知らん。どうでも良い。サウザー神。サウザーマジリスペクト。これからはサウザーのように生きる。

 

そう、心に決めかけた時、空気を読んだかのように、その利用者さんからのコールは無くなりました。やっと寝てくれたのです。あと一歩でサウザーになる所でした。2時半くらいだったと思います。

 

夜勤は夕方5時から翌日の朝9時までですが、夜中の2時半まで殆ど仕事が進んでいなかったので、そこからいつもの3倍のスピード感で、仕事を捌いていきました。

 

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そして朝7時半、配膳が終わり、洗濯物を回し、後は雑務を少々こなして申し送りを行うだけの所まできました。

 

体調不良はMAXです。熱は無かったんですが、ちょっと気を抜いたら五臓六腑が飛び出してきそうな状態でした。

 

早く帰ろう。9時になったらすぐに帰ろう。

 

とにかくそれしか頭にありませんでした。帰って寝ないと壊れてしまう。

 

そして8時半、申し送りを終え、あとは洗濯物を干すだけです。やっと帰れる…。さあ洗濯物を干して帰ろうと洗濯機を開け、洗濯物を取り出すと、ポリマーだらけの黒いズボンが出てきたんです。

 

そうです。慌てていた僕は、洗濯物の確認を疎かにし、パッドを洗濯機で回してしまっていたんです。 もう一度洗濯機を回して、洗濯物を干すまで帰れなくなりました。僕は少し頭がおかしくなり、チャゲ&飛鳥の、YHA YHA YHAを洗濯部屋で歌っていました。

 

すると一人の女性介護士が、「ハレくんどうしたの?」と声をかけてきました。

 

「いや、パッド洗濯してもーて、もっかい洗濯する所です」

 

と返すと、その女性介護士はこう言いました。

 

「そんなの私やっとくから、はよ帰り」

 

女神でした。彼女は紛れもなく女神でした。更年期だと言ってましたが、更年期の女神でした。

 

「ありがとうございます…」

 

深く頭を下げ、退勤し、パチンコに行きました。

 

以上、夜勤中に僕の身に起こった悲劇の話でした。

 

おやすみパチ屋。(負けた)

 

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