こんばんは。介護福祉士のハレくん(@harekunoku)です。
障害者の方や認知症の高齢者の方に対する虐待事件、ニュースでよく見ますよね。非人道的な内容のものを見ると、『周りは見て見ぬフリだったのか?』とか『本当に1ミリも良心が無いのか?』とか、色々思う所があります。
今日はこの記事で、障害者の方が冤罪によって死刑になった実話を共有していきます。
かなり胸糞の悪い内容の話になりますが、障害者支援や高齢者介護をする人に、虐待行為の醜さを改めて理解してもらえたらと思います。
では行きましょう。
ジョー・アレディ
1915年に、アメリカのコロラド州で生まれた、ジョー・アレディさんという方のお話です。
彼は生まれつき知的障害者で、IQは46程度しか無く、複数の単語を組み合わせて話す事ができない、赤と青の区別がつかない、数字が覚えられない、等の症状がありました。
小学校に通っていた時、『授業を受ける能力が無い』という理由で、学校側に通学を拒否されてしまいます。
そして10歳になった頃、精神障害者養成学校に通う事になるのですが、その学校で、上手く喋れない言葉使いをマネされたり、能力の低さをからかわれたり、暴力や暴言によるイジメを受けてしまいます。
そんなコロラド州での生活に嫌気がさしてしまったのか、ジョーは21歳になった頃、ワイオミング州へと渡ります。
無実の殺人罪を被せられる事に
ワイオミング州で放浪していたジョーでしたが、ある日、浮浪罪で逮捕されてしまいます。
その後、警察署で、ジョージ・キャロル保安官による取り調べを受ける事となるのですが、この時に、ジョージ保安官は、別の事件の罪をジョーに被せようとしたのです。
近くで起こった凶悪な強姦殺人事件の犯人をジョーであると断定し、厳しい尋問を行ったそうです。
それに対しジョーは、ジョージ保安官のあまりの剣幕に怯え、話の内容が理解できない事もあり、頷く事しかできず、無実の罪を認めてしまいます。
しかしその裏では、その事件の真犯人が見つかったとされ、その真犯人には死刑判決が言い渡されました。
これでジョーの無罪は証明された。と思いきや、警察官として手柄を上げたいジョージ保安官は、『ジョーが、「自分も一緒に犯行を行った」と自白をした』とし、ジョーを犯人に仕立て上げようとします。
自分の手柄のために、ジョーを誘導し続けます。
ジョーは精神鑑定を受ける事となるのですが、ジョーには6歳程度の知能しか無いため、犯罪目的で行動する事は不可能であるという鑑定結果となりました。
また、その事件の一部始終を目撃した被害者の家族も、「犯行の現場にジョーはいなかった。犯人は1人だった。」と、ジョーの潔白を主張します。
しかし、ジョージ保安官は諦めません。自分の手柄のために、どうしてもジョーを犯人に仕立て上げたいという気持ちから、ジョーに対する厳しい尋問を続けた結果、ジョーは、自分が犯人である事の自白を続けてしまいます。
当時は法律も甘かったんだと思います。本人が自白している情報が重要視され、ジョーには有罪判決が下され、死刑が言い渡されてしまいました。
世界一幸せな死刑囚
その後ジョーは、コロラド州の刑務所に送られるのですが、そこには、ジョーの障害に対して理解があり、ジョーが罪人ではないことを主張してくれる人が沢山いたんです。
ジョーの死刑を避けるべく、助命活動も精力的に行われました。
毎日、オモチャやお菓子の差し入れをしてくれる人も居て、ジョーは幸せな表情で毎日を過ごしていたため、『世界一幸せな死刑囚』と呼ばれたそうです。
しかし、死刑判決が覆る事はなく、ジョーの死刑執行の日はやってきます。
ジョーはその日、「最後に食べたい物は?」看守に聞かれ、「アイスクリームが食べたい」と希望。
アイスを少し食べた後、「残りは後で食べるから、冷凍庫に入れといて」と言い残し、赤い列車のオモチャを持ったまま、ガス室に連行されていきました。
死刑執行直前、ジョーはその列車のオモチャをガス室の壁にぶつけ、「ガッシャーン!衝突!」と楽しそうに遊んでいたそうです。
ジョーを心配そうに見つめる刑務所内の人に対しても、「ジョーは死なないよ!」と笑顔を見せたとか。
しばらくし、ジョーは椅子に座らされ、目隠しをされるのですが、その時ばかりは、落ち着きのない行動が見られたそうです。
そんなジョーの様子を見た刑務所の所長が、ジョーの手を優しく握り、優しい言葉を投げかけると、ジョーは再び笑顔を浮かべたそう。
その後、所長はジョーの元を離れ、涙を流しながらガスボンベのスイッチを入れ、刑は執行さてしまいました。
ジョーは、23歳という若さで、冤罪によって、この世を去ってしまいました。
最期に
この結末に対し、多くの人々が異を唱え、一部法律が見直されたり、ジョーの無罪が証明される事となるのですが、ジョーの死刑は無かった事にはなりませんからね。
胸糞の悪い話です。
普段、障害者施設での虐待に関するニュースを見ても、『相手は知的障害者だから自分に反抗する能力はないだろう』とか、『何をやっても分からないだろう』とかって、ジョージ保安官のような思考の人が極小数ですが存在するんだなと感じますよね。
先日、虐待についてこんなツイートをしたんですが、↓
介護施設で起こった虐待のニュースと障害者施設で起こった虐待のニュースを比べてみると、印象が全然違う
— ハレくん (@harekunoku) 2022年6月12日
どっちも最低だけど、障害者施設で起こる虐待は狂気的なのが多い気が。
カッとなったとか、ストレスが積もり積もって…とか、そういうのじゃなくて、狂ってる虐待のニュースをよく見る。
ジョージ保安官もそうですが、障害者の方に対する虐待は、狂ってるとしか思えないような内容のものが多いです。
なぜそうなるのかって事なんですけど、Twitterのフォロワーさんが分かりやすく言語化して下さいました↓
障害者の中で最も多いのが知的障害をお持ちの方が被害者のケース。
子供の虐待も狂ってる虐待が見受けられますが、知的障害=IQが低い=子供のように従属的に扱われることがあるのかも。
知的障害がIQだけでないことも子どもは従属物でないことは百も承知。
これだなと。
ニュースを見ても、従属的に扱われ、虐待を受けているケースのものが殆どですよね。
介護業界にいると、障害者の尊厳、利用者の尊厳についてよく学ぶ機会があると思うんですが、介護士、生活支援員として働く時は、『尊厳』という言葉は常に意識しておく必要があるなと感じました。
という事で、ユーモアの無い記事になりましたが、今日はこの辺で失礼します。
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おやすみ生活支援員。
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