こんばんは。介護福祉士のハレくん（@harekunoku）です。
皆さん、知的障害者福祉施設の中井やまゆり園で起こったとされる虐待に関するニュース、見ましたか？
ソースです↓
「中井やまゆり園」で虐待 スクワット数百回、体内に異物 神奈川（時事通信） - Yahoo!ニュース
利用者にスクワットを数百回させていたり、利用者の直腸から金属製ナットが見つかる等、人間がやる事とは思えないような虐待疑いが山ほどあるそうで、現在も調査中なんだそうです。
もはや虐待なんてレベルではないですけどね。
今日は、このような、普通では考えられないエゲツない虐待が起こる決定的な理由を説明します。
介護士のように、人を支援する仕事をする以上、必ず持っておかなくてはいけない知識になります。
その知識を取り入れるためには、まず、アメリカのスタンフォード大学で行われた、スタンフォード監獄実験について知る必要があります。
この実験の内容と結果を知る事で、虐待を起こす原因となる人間心理が分かるので、自分がその心理状態にならない事と、間違った価値観を持たないようにする事を常に意識するようにして下さい。
では行こう。
スタンフォード監獄実験の内容
全て書くと長くなるので、主要な部分だけをサクッと記載していきます。
大学の地下に、刑務所をモデルにした実験施設が作られ、21人の被験者が集められました。
21人中11人を看守、10人を囚人とし、実験期間14日を予定して実験が開始されました。
実験にリアリティを持たせるため、囚人には設定上、やってもいない罪を被せ、囚人服を着せ、右足に重りを付けさせ、素手で掃除や靴磨きをやってもらう事となりました。
精神的に疲弊していく囚人役の人達を見た看守役の人達は、なんと、自ら進んで虐待行為を行うようになっていったそうです。
実験であるにも関わらず、仮想刑務所内では、暴動やハンガーストライキが発生してしまったため、たったの６日間で実験は強制的に中止される事になりました。
被験者にはその後、１０年間にも及ぶカウンセリングが必要になったそうです。
スタンフォード監獄実験で分かった事
この実験によって、人はもともとの性格とは関係なく、権力を与えられると理性を保てなくなり、弱い立場の者を攻撃するようになるという事が分かりました。
ここが超重要なポイントです。
中井やまゆり園で起こった虐待を見ると、まず間違いなく、虐待行為を行った支援者はこの心理状態になっていたはずです。
利用者にスクワットを数百回もさせるような虐待です。カッとなって手が出たとかじゃなく、明らかにイジメのような感覚で虐待行為を行ってますよね。
障害者は自分よりも立場が弱く、その人たちの面倒を見ている自分は、この場において権力者だと思い込んでいた状態だったと。
利用者と自分の関係性を、スタンフォード監獄実験で行った、看守と囚人のような関係性だと思っていたに違いありません。
そんな勘違いを引き起こしたばかりに、理性を失い、障害者の方を攻撃するようになって、行動がどんどんエスカレートしていったんだろうと思うんです。
介護従事者の方へ
僕含む全ての介護職員が知っておかなくてはいけない事は、支援している側の立場が上だなんて勘違いをしない事で、
そんな勘違いを引き起こしてしまうと、自分も虐待行為を行ってしまう可能性があるという事です。
介護サービスの利用者さんと介護士は対等です。介護してお金貰ってるんですから、利用者さんはお客様です。対等でしかありません。福祉系の仕事には、お客様思考が絶対に必要です。
自分は虐待なんて絶対にしないと考えるんじゃなくて、利用者さんとは対等な関係で、そこを勘違いしてしまうと自分も虐待をしてしまうかもしれないと考える方が専門的です。
クソ真面目な記事になりましたが、中井やまゆり園の事件を見て、スタンフォード監獄実験の内容と結果は全ての介護士が知っておくべきだと思ったので記事にしました。
という事で、おやすみフィリップ・ジンバルドー
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